夫や妻が浮気・不倫をしていた事が分かったら、とてもショックが大きいと思います。
「今まで信頼していたのに…何で?」という思いにもなりますし、信じたくないという気持ちにもなるはずです。
浮気している夫や妻も許せないでしょうが、憎い浮気相手に対しては「訴えて懲らしめてやる」と考える方も多いと思います。
色んな制裁方法がありますが、いざ訴えようと思ってもどうしたら訴える事が出来るのか?
全く分からないと思います。
なので今回は浮気相手を訴える事について書いて行きたいと思います。
浮気相手を訴えるのに大切な事は証拠集めが重要
浮気相手を訴える時はしっかりとした準備をし、決定的な証拠を手に入れなければなりません。
浮気された側が訴えようとしても、浮気した証拠がなければ裁判に負けてしまう可能性があります。
それに確実な証拠がない限り慰謝料請求も出来ません。
裁判に勝つために、事前に浮気の証拠を集めておく必要があります。
※証拠がない時はこちらのページを参考に→浮気の証拠がない時は
浮気相手を訴えた時はどうなる?
慰謝料請求や調停が不調に終わったら、浮気相手に訴訟を起こす事が出来ます。
決定的な証拠があった場合、浮気相手を訴えた時はどうなるのでしょうか?
慰謝料を請求する事が出来る
相手が慰謝料の請求を拒否しても、裁判で浮気相手に責任があり慰謝料を支払わなければいけないと判決が下りたら相手はどうしようもありません。
裁判所が出す和解案にお互い応じるか、または決裂してしまった時は尋問が開かれます。
尋問でも和解出来なかった時は、裁判所から判決が下され慰謝料の金額が提示されます。
浮気相手には慰謝料を支払う義務が生じ、支払われない時は強制執行になります。
お金と時間を掛けさせられる
訴訟を提起した場合、相手の出方次第では結審に至るまで、数ヶ月の期間が掛かってしまう事もあります。
その間、浮気相手に相当なプレッシャーを与える事が出来ると思います。
普通の人であれば「訴えられている状況」というのは、心身ともに疲弊してしまいます。
相手に訴えられている状況を作る事が「大変な思いをさせて懲らしめてやる」という気持ちに繋がると思います。
訴状が届いたら浮気相手も弁護士に相談したりします。
弁護士に依頼すると費用も掛かります。
慰謝料以外にも弁護士費用も支払わなければいけなくなり、お金と時間を相手に負担させてしまう事になります。
浮気相手を訴えたら社会的に不利になるのか?
訴訟や調停の記録は裁判所に残りますが、訴えたからと言って相手が社会的に不利になる事はないです。
それに民事調停の場合は調停の記録を第三者が見る事が出来ません。
訴訟になった時は一般人も「訴状・答弁書・証拠の写し」など見る事が出来ますが、被告と原告の名前や事件番号などが分からなければ見る事は出来ません。
一般人の訴訟の記録が他人に見られる事は無いと思います。
ただ「浮気相手として訴えられた」という事実があるので、裁判所からの訴状や内容証明を会社や相手の親族に送る事で、周りの人達に知られてしまい毎日辛い日々を過ごす事になると思います。
浮気相手に家庭があれば離婚になってしまう可能性もあります。
ですが、浮気していた事をばらす目的で相手の職場や友人に話したりすると「名誉毀損罪」になるので気を付けて下さい。
浮気相手にしてはいけない事
浮気相手に対して怒りを感じる気持ちは分かりますが、下記に関しては絶対にやってはいけません。
浮気相手への怒鳴り込み
浮気相手の職場や家に出向いたり、電話で連絡したりするのは控えましょう。
「相手に対して何かしら言ってやりたい」と思いますが、もし相手に不適切な言葉を言ってしまった場合、逆に相手から「脅迫・恐喝された」と訴えられてしまう可能性があるからです。
社会的評価を下げる
浮気相手の職場・家族・友人・その他不特定多数の人に、浮気をしていた事実をばらして社会的評価を下げてしまうと「名誉毀損罪」になってしまいます。
次のような行動が名誉毀損罪になります。
- 周りに言いふらす
- FAXで浮気の証拠を送る
- 浮気の証拠を郵便で送る
- 事実を書いた書面をばらまく
- インターネットの掲示板に書き込む
相手の悪評を多人数に伝える事は、どんな方法であっても犯罪行為になります。
1人だけに言ったとしても浮気した事実が広がる可能性がある場合は名誉毀損罪になる事もあります。
暴力で相手を負傷させてしまう
浮気相手が憎いのは分かりますが、暴力で相手を負傷させてしまうと傷害罪になり、刑事事件に発展しかねません。間違いなくあなたが不利になるので注意しましょう。
以上の内容が浮気相手にしてはいけない事になります。
これらは全部犯罪行為です。
どう考えても最悪な結末にしかならないので、感情的になって判断力を失わないようにしましょう。
慰謝料を請求するための条件
浮気相手に慰謝料を請求するためには、下記の条件が必要になってきます。
- 浮気相手に「過失・故意」があること
- 不貞行為(肉体関係)で「権利の侵害」を受けたこと
他にも条件がありますが、基本はこの2つになります。
ですが「過失・故意」「権利の侵害」が認められる場合と、認められない場合があるので詳しく説明します。
「過失・故意」が認められる場合
- 相手が既婚者なのを知っているのに不貞行為(肉体関係)を持った
- 浮気相手は既婚者が浮気している事に気づく必要があるにも関わらず、把握していなかった
- 相手が既婚者だと知っていたけど、すでに夫婦関係が終わっていたと勘違いし、注意を払えば終わっていない事に気が付く必要があったにも関わらず、不貞行為(肉体関係)を持ってしまった
「過失・故意」が認められない場合
- 出会い系サイトで知り合い、お互いの素性を知らず不貞行為(肉体関係)を持ってしまった
- 浮気相手の意思で不貞行為(肉体関係)を持っていなかった(脅迫や強姦など)
「権利の侵害」が認められる場合
- 浮気相手の不貞行為(肉体関係)で、円満だった夫婦関係が悪くなり離婚してしまった
- 浮気相手と配偶者の間で不貞行為(肉体関係)はなかったが、夫婦関係が修復出来ないほど親密な関係であった
「権利の侵害」が認められない場合
- すでに夫婦関係が悪く婚姻関係が破綻していた
以上が「過失・故意」「権利の侵害」についてでした。
慰謝料が請求できない場合
いつでも慰謝料が請求出来る訳ではありません。
3年ぐらいの期間が経過してしまった場合は時効になり、慰謝料の請求が出来なくなります。
ですが期間が過ぎたからといって二度と請求出来ないという訳ではありません。
浮気相手が支払いの意思を見せた時や、支払い義務を承認した時は慰謝料の請求が出来る可能性があります。
慰謝料の請求を先延ばしにしてしまうと、期間制限の問題が出てくるので、請求したい場合は早めに手続きをして解決しましょう。
慰謝料の相場は?
慰謝料の相場については、はっきりした決まりはないです。
ですが慰謝料には法律的な相場があるので、あまりかけ離れた金額を請求しても認められません。
どんな時にいくらぐらいの慰謝料が認められているか、ケース別で確認して行きましょう。
浮気が原因で離婚する時
慰謝料の金額が高くなるのは、浮気が原因で夫婦関係が破綻し離婚してしまうケースです。
この場合は配偶者や浮気相手の不貞行為の責任が重くなるので、慰謝料の金額が高額になります。
だいたい相場として300万円ぐらいになります。
慰謝料だけで離婚しない時
離婚はしないけど浮気相手に慰謝料を請求するだけの場合は金額が低いです。
不倫行為があっても夫婦関係が破綻しなかったという事になり、被害者の精神的ダメージも小さいという事で、慰謝料の金額は100万円以下になります。
慰謝料の金額はどんな原因で増減するのか?
慰謝料の金額が増減するのは知っておいた方が良いです。
離婚する場合は300万円ぐらいが相場ですが、場合によってはその半分の150万円ぐらいになる事もあります。
逆に高額になる場合は300万円を超える場合もあります。
下記のような事情があると慰謝料も高額になるので参考にして下さい。
- 婚姻の期間が長い
- 不貞行為(不倫行為)の期間が長い
- 被害者の精神的ダメージが大きい(うつ病になって通院した時)
- 浮気が原因で被害者が働けなくなり仕事を辞めてしまった
- 夫婦の間に未成年の子供がいる
- 浮気相手との間に子供が出来ていた
- 何度も浮気を繰り返している
- 配偶者や浮気相手の社会的地位が高い
- 配偶者や浮気相手の収入が高い場合や多額の財産を持っている時
以上のような事情だと慰謝料が高額になる場合がありますが、逆に上記の事情がなければ慰謝料は減額される事になったりします。
浮気相手に慰謝料を請求する時
浮気相手が既婚者と分かっていながら不倫していたという証拠が必要になるので手元に証拠がある事を確認します。
そして浮気相手に内容証明郵便を使って慰謝料の請求書を送ります。
相手に到達した事が分かるように配達証明を付けておきましょう。
請求書を送った後は、相手と交渉をしていくらぐらいの慰謝料をどんな方法で(一括か分割か)支払ってもらうのかを決めます。
お互いが納得したら示談交渉は終了して、その内容に応じて慰謝料の支払いが受けられます。
もしお互い納得しない場合は、裁判を起こす必要があります。
この場合の裁判は損害賠償請求訴訟になります。
慰謝料請求をする時は、確実に手続きをしてもらうために弁護士などの専門家に相談したり依頼したりしましょう。
自分で内容証明郵便や電話、メールなどで請求すると相手も感情的になって示談がまとまりにくくなる時もあるからです。
まとめ
憎い浮気相手を訴えて辛い思いをさせてやりたいと思いますが、一歩間違えてしまうと今度は自分が訴えられて不利な状況になるので気を付けて下さい。
一人で考えて最善策を思いついても、うまく行かなくなる事もあるので、専門の方と相談しながらやって行く事がベストだと思います。